
四季の花づくりの記事
- 花壇準備は早めに、種まきはゆっくり
- 本格的な花壇作業が始まる
- 徐々に進めよう荒起こし
- 水をやり忘れないように
- 葉が枯れ始めたら掘り上げ
- 気温の低下が急激、遅れず作業を
- サフランの「早業」を楽しむ
- 乾燥時は、水やりでハダニ退治も
- 暑い夏は水やりに気を使おう
- 夏の夜を演出するヨルガオ
花壇準備は早めに、種まきはゆっくり
早川京子
先月の立春過ぎから、徐々に気温が上がり始め、今月は本格的に春の気配をうかがわせる陽気になってきます。花壇作業も本格化する季節です。
今月下旬から来月には、植えつけ時期になる草花が多くなりますので、植えつけ前に、早めに花壇の準備をしておきましょう。消石灰や堆肥を入れ、耕しておき、土を落ち着かせます。
霜の心配のない所では、秋まきで育ててきた苗場の霜よけを取り外しましょう。寒さにも当てて、締まった丈夫な苗に仕上げてやるためです。暖かくなって、苗は急激に成長を速めてきますので、植え広げもやります。植え広げは、新根を出させるとともに、株間の風通しと日光の当たり具合を良くし、丈夫な苗作りを助けます。
すでに植わっている菊、ガーベラなど宿根草は芽が動きだします。芽が動きだす前に、株分けや芽分けをして、植えつけます。植えつけたら3~4年はそのままの場所で育てるわけですから、株間は少し広めに取るのがよいでしょう。植えつけ後は根づくまでは水をたっぷりとやり、根づいたら、土の表面が白く乾いたらやる程度にします。
植え替えをしない宿根草には肥料をやります。今年一年の力を蓄えるものです。
春まき草花の種まきは、「桜の咲くころ」が目安です。これより後の方が安全ですので、春の種まきはのんびり構えていても大丈夫です。
少し気温の低い地域でも、早く植えつけたければ、球根や種子を鉢やプランターに植えたり、まいたりして、室内に置けば、早く芽を出しますので、それを花壇に植えます。開花期も早めることができます。

本格的な花壇作業が始まる
早川京子
昨年末ごろから冬の寒さに当ててきた水栽培の球根は、立春を過ぎてから、室内など暖かい、日当たりの良い場所に移すと開花が早まります。花壇に植えてある球根類も、ビニールトンネルを掛けてやると、開花を早められます。
立春を過ぎると気温は徐々に上がり、2月下旬にはかなり暖かさを感じるようになりますが、宿根草はいち早く感じ取り、根の活動を活発化します。根を伸ばし、春の芽出しの準備を始めるわけですから、このころから3月にかけて元肥をやりましょう。株元から少し離れた、根の先端辺りに、環状に浅い溝を掘って、施します。今年一年の栄養を施すのですから、ゆっくり効き目を現す有機質や緩効性肥料をやります。もちろん両方をやっておけば、効果は高いでしょう。有機質は、野菜くず、果物くずでもいいでしょう。この元肥を施しておかないと、来年の芽を作る力が弱くなる可能性がありますので、必ずやっておきます。
春植え草花を植える花壇の準備は、植えつけの1カ月くらい前に始めましょう。大きな塊の土を細かく砕き、消石灰や堆肥を入れて、深さ30cmくらいまでの土と混ぜ合わせておきます。消石灰は一平方メートルに100~200gを堆肥はバケツ1~2杯を入れておきます。こうしておいて、花壇のあの部分には何を植える、こちらにはこんな花を植えつける、などと、およその構想をして、思いを巡らすのも楽しいことです。
鉢植えで花を楽しんだフクジュソウは、木の樹幹下など夏に木陰になる所で、地植えに戻して養成し、年末まで置きます。

徐々に進めよう荒起こし
早川京子
今月は、草花の植えつけ、植え替えには、年間で最も不適当な時期ですので、ほとんど作業はありませんが、普段できない荒起こしのような作業を、この時期に終えておきます。
草花の育ちが良くなる、ふかふかの、いわゆる団粒構造の土にしてやるために、冬季のうちに、花壇を深く耕しておきます。前回に書いた荒起こしです。春の種まき、植えつけのための準備までは、荒く起こしておくだけで大丈夫です。大変な作業ですので、少しずつ進めましょう。酸性になって疲れた土の再生も期待しての荒起こしですので、起こす前に消石灰を100~150gまいておきましょう。
冬とはいえ、草花の根は活動しています。花壇の地表面が白く見えるようになったら、水をタップリとやりましょう。地表が凍る地域もあるでしょうが、朝10時ごろから午後1、2時までにやりたいものです。
また、寒い地方では、秋に植えたばかりの宿根草や球根が、霜で持ち上げられることがありますので、株を押しつけて、持ち上げられにくくする工夫も大切でしょう。
こうした作業のない時間を利用して、今年の花壇の植えつけ計画を考えてみるのもいいでしょう。年中、花壇のどこかで花が咲いていたり、色合いの良い葉をつける株があったりするように考えて、種まきや植えつけの計画を立てておけば、作業が遅れずに済ませられて、花壇のにぎわいが楽しめるのではないでしょうか。

水をやり忘れないように
早川京子
今月は、植え遅れた球根の植えつけ、これまで花壇を飾ってくれ、枯れた草花の片づけなど、残務整理のような仕事があります。早々に終えましょう。
すでに植えつけてある球根や苗には、水やりを忘れないようにします。特に、芽が地面から顔を出していないものでは忘れがちですので、神経質になる必要はありませんが、心しておきましょう。草花の根は、寒い冬でも活動をして、やがて訪れる温度上昇期に備えて、体力養成をしています。地表面が白く乾いたら、たっぷりと、水をやります。
花壇の土は、何度も草花を作っているうちに、だんだん目の詰まった硬い土になり、草花の生育を悪くしてしまいます。草花の生育のために好都合の土は、空気や水や肥料をたっぷりと含むことのできる、ふっくらとした構造。土の粒と粒の間にすき間がある団粒構造です。
根は伸びるのに光は必要ありませんが、水と空気が必要です。また、地上部のためには土が含む肥料を吸い上げますが、それが水と共に、根の近くにあることが大切です。空気や水が含まれた軟らかい土の中で、根を十分に伸ばし、その伸びた根に栄養分をよく吸収させて、地上部をしっかりと成長させるわけです。
そんな団粒構造になった土をつくるには、耕してやることが大切になります。耕し方は、いつもの植えつけ時よりはるかに深く、30cm以上にします。下層の土を、ひっくり返して、上層の土を持ってくるやり方で、荒起こしといっています。それがやれるのは、花壇の空きが多く、作業も少ない、冬場です。春の作業が始まる2月、3月までの期間を利用して、少しずつ進めましょう。

葉が枯れ始めたら掘り上げ
早川京子
来春の花壇を飾る草花苗、球根などの植えつけは、ほぼ終わりに近づいていますが、まだ植えていない球根は早めに植えておきましょう。アガパンサス、ガーべラなどの株分け、マーガレット、ゼラニウム、ナデシコ、カーネーションの挿し芽もまだできます。あまり気温が低くなると根が伸びませんので、注意してください。
ハボタンは、冷え込んでくると色づきますが、このころ花壇に植えつけます。寒さに強い植物ですが、北風が吹きすさぶような場所では、傷みも早くなります。やはり、北風の当たらない、暖かい場所がいいのは当然です。窒素肥料があると、色づきが悪くなりますので、植えつけ場所に施さないようにします。
ダリア、グラジオラス、カンナ、アマリリス、カラーなどの春植え球根は掘り上げ時期になります。春植え球根の中には、秋に球根が肥大するものがありますので、霜などで葉が少し枯れだしたら、掘り上げましょう。
グラジオラスは地上部を切ってもいいし、束ねるために、ある程度の長さの地上部をつけておいてもいいのですが、球根の下部にくっついている木子(きご)は離して、凍らないような所で貯蔵します。ネット袋に入れて、風通しの良い日陰につるしておくといいでしょう。離した木子は紙袋などに入れて、室内で貯蔵します。
ダリア、カンナ、カラーは極端な乾きを嫌いますので、湿らせ気味にしたもみ殻、おがくず、バーミキュライトなどで貯蔵します。
ヒヤシンス、チューリップ、クロッカスなど球根の水栽培をするなら、水温が15度以下になる時期から始めます。水栽培専用の容器を求めてもよいし、IL入りの牛乳やジュースの紙パックでも工夫すれば使えます。最上部の口部分に、ミカンや野菜のネット袋を張って、球根がパック内に落ちないように支えます。

気温の低下が急激、遅れず作業を
早川京子
秋まき草花の種まき、秋植え球根、草花苗の植えつけ、宿根草花の挿し芽、株分け、植え替えなど、来春の花壇のにぎわいを期待しての作業がめじろ押しです。秋まき草花の発芽適温は、春まき草花より少し低い15~20度くらいですが、秋は気温が日々急激に下がり発芽適温を外しやすいので、早めに取り組みましょう。
一方、球根は秋の涼しさによって発根を促し、寒冷期になる前に根を十分に伸ばしておき、冬の寒さに遭うことで花芽をつくります。そのため植えつけは、種まきをする種類より遅くても大丈夫です。それでも11月上旬くらいまでには終えましょう。
9月に種まきをして育苗中の草花は、上・中旬に植え広げておき、下旬に花壇へ定植します。1度仮植えすることで細根が多くなり、養水分の吸い上げ能力が増して、厳寒期を乗り切る丈夫な苗になります。
宿根草の株分け、植え替えは今月中に終えましょう。挿し芽は上・中旬にすると今月中には根づきますので、鉢に植え替えてやります。
ヒヤシンス、クロッカスやチューリップなどの球根の水栽培は、気温が高いと水温も高まり病菌が繁殖しやすくなるので、気温が15度以下になる時期になってから始めるのが安全です。
寒くなるまでに根をしっかり伸ばして、0度に近い気温の時期になったら、寒さに当てるようにします。発根、根の伸長に明るさはいりませんので、冷暗な場所に置きます。根の伸長に合わせて、容器中の水は少しずつ減らしていき、根が空気に触れ、呼吸できるようにしてやりましょう。

サフランの「早業」を楽しむ
早川京子
秋まき草花の作業シーズンになります。春まきのときと違って、気温が急激に下がっていく時期ですので、作業が遅れないようにしましょう。
種まきは、秋のお彼岸ごろには終えましょう。秋まき草花の発芽適温は15度くらいのものが多いのですが、春と違い気温が下がっていく時期ですので、発芽してもその後の生育が十分でないうちに寒さが来てしまう可能性があります。寒くなる前にしっかり根を伸ばし、体をつくってやります。
今月まいた草花は、来月に植えつけ時期となります。植えつけ3週間前までに、消石灰などで土を中和し、堆肥(たいひ)などを施し、地ごしらえしておきましよう。
球根の植えつけ適期は、今月下旬ぐらいから来月上旬の涼しくなるころです。通常、冬の寒さに遭うことで、来春きれいな花を咲かすのですが、なかにはせっかちな秋植え球根があります。秋咲きサフランです。
今月下旬に植えつければ、1カ月ぐらい後には花を咲かすという早業を披露してくれます。ただ、植えつける場所には肥料を施し、球根に栄養を十分に補給してやらないと、来年花が見られないことがあります。気をつけましょう。10月ごろから根を伸ばし始めるシャクヤクは、直前の今月中に株分け、植え替えを終えておきます。毎年植え替える必要はなく、3~5年に1度でよいでしょう。ほかの宿根草の株分けは10月に入ってからでも大丈夫です。
クロッカス、スイセン、ヒヤシンスなどは水栽培できますが、気温が下がり水温が上がらなくなる時期から始めましよう。目安は15度。根が伸びるのに光はいらないので、涼しくて暗い場所に置いて、十分に根を伸ばします。

乾燥時は、水やりでハダニ退治も
早川京子
月はとにかく暑く、乾燥する時期ですので、まず水やりが重要な作業です。一方、乾燥する時期にはハダニが発生しやすくなります。少しくらいの被害なら、植物が枯れることはありませんが、たくさんの葉が吸汁され、白っぽい葉が多くなると、生育は悪くなり、枯れてしまうこともあります。
ハダニは葉裏について、葉の汁を吸うので、その部分が透けて、葉の表からは白っぽい斑点や筋状の斑紋のように見えます。そんな状態のときに葉裏を見ると、赤っぽかったり、黄緑っぼい小さな虫がいます。ハダニは1mm以下の小さなものですが、クモの仲間で足が8本あって、6本足の昆虫とは形が違うので分かります。
ハダニは水に弱いので、大雨や夕立に当たると寄生密度が下がって被害が止まります。そこで、この自然現象と同じ状態を作り出せば、被害を出さずに済むことになります。つまり、水やりのとき、じょうろのハス口(蓮口)を上向きにして、葉裏にも水がよく掛かるようにしてやるといいでしょう。被害がひどいようなら、ダニ防除剤で対処します。
暑い平地では、サルビア、ダリア、マリーゴールドなどは、そろそろ、花つきが悪くなり、草姿が悪くなってきます。8月初旬に、草丈の半分か3分の1くらいのところで、切り戻しておきましょう。肥料も施しておけば、新しい枝が出て秋になってまた、きれいな花が見られます。ダリアは節と節の中間で切ると、水がたまって腐ったり、枯れてきますので、葉が2枚ついた節のすぐ上で切っておきましょう。

暑い夏は水やりに気を使おう
早川京子
梅雨が明けると、雨が期待できなくなる一方、強い日差しで花壇の土はすぐに乾くようになります。土の表面が白くなったら、十分に水をやりましょう。花壇でも1日2回、やらなければならないときがありますが、土の量が少ない鉢物はなおさら気を使います。暑さや日差しで鉢土が熱くなっているときに水をやると、根を傷めることもありますので、あまり温度の上がっていない午前中にたっぷりやっておきましよう。午後は、気温が下がってきたころにします。
ただ、アサガオは夜まで水が多く残っていると、つるが伸びて大輪の花が咲かなくなる心配がありますので、午後3時ごろ以降の水やりは控えた方がいいでしよう。真昼の高温時に水をやる場合は、急に冷たい水をやると根の働きを悪くしますので、くみ置きの水をやるのがいいでしょう。
春まきの草花は短日性ですので、今からまくと、草丈が伸びないうちに、花芽ができます。背丈の短いそろいの良い開花が楽しめます。まき残した種があれば、まいてみてはどうでしよう。
ハボタンは七夕ごろにまきましよう。薄まきにして発芽させ、本葉2~3枚と7~8枚のときに植え広げて、秋の定植まで育てます。キャべツの仲間なので、チョウの幼虫が食害します。注意しましよう。
パンジーは、JAなどで売っている苗を買ってきて植えれば簡単ですが、種まきからやってみるのも面白いものです。まく時期が早いほど早く花を咲かすことができるからです。平箱に種をまいて、風通しの良い涼しい所か、空調をしている部屋に置いて発芽させます。室内に置いたものも、発芽したら室外の涼しい場所に出して育てます。
夏の夜を演出するヨルガオ
早川京子
チューリップ、アネモネ、ヒヤシンスなど秋植え春咲きの球根類は、梅雨前に掘り上げておきましよう。スイセンは毎年でなくていいのですが、3年に1回は掘り上げます。どの球根類も花が終わった後も葉が光合成をし、その栄養で球根が肥大しますので、葉が枯れない限り、梅雨入り近くまで活動させてやります。
ジャーマンアイリス、ハナショウブなどは、花が終わったらすぐに株分けします。葉は半分ぐらいに切り詰めてから、1芽ずつに分けます。根づくまで、水は控えめにします。多くの草花は花の咲く前後の植え替えはよくないのですが、アヤメの仲間は花の咲いた直後に、新しい根が伸びるので、この時期が株分け適期になります。サルビアやマリーゴールドなど、暑さに強い種は今月はもちろん、来月初めまでまけます。
そんな中、ほのかな香りを漂わせ、大きな白い花びらが夕風、夜風にゆらりとなびき、あでやかな姿を楽しませてくれるヨルガオをまいてみませんか。夕方から花開いて、夜中に咲き続け朝方にしぼみます。育て方はアサガオとほとんど同じです。アサガオのように、支柱や垣根にはわせてもよいし、あんどん仕立てでもいいでしよう。葉が大きいので、窓下など育てる場所によっては、日よけにもなります。種はアサガオよりはるかに大きく、堅いので、種の表面の一部をやすりなどで傷つけてまきましよう。ヨルガオはアサガオと同じヒルガオ科です。「ユウガオ」の名で売っている種もありますが、かんぴょうの原料にする冬瓜(とうがん)をならせる本来のユウガオ(ウリ科)ではないことを確かめてください。


















